2019年8月9日金曜日

火伏せの神「愛宕神社」の全国本宮は京都亀岡にありました

京都亀岡の「愛宕神社」は、京都府亀岡市千歳町にあります。
愛宕神社は全国に約900社あり、京都では「愛宕神社」と言えば京都市の西北にそびえる愛宕山(標高924m)の山頂にある「愛宕神社」を考えがちですが、愛宕山にある「愛宕神社」は、亀岡の「愛宕神社」の御祭神を分詞して勧請したものだと言われています。


 愛宕神社(愛宕じんじゃ)御由緒 


御祭神
主祭神:火産霊神(ほむすびのかみ)
配 神:伊邪那美神(いざなみのかみ)、大国主神(おおくにぬしのかみ)

創 基
創基は神代で、継体天皇元年(507年)に社殿創建
元は「阿多古神社」と称される。

例祭日
10月21日

陳火祭
4月24日

摂 社
八幡宮神社 御祭神:応神天皇
豊受比賣神社
火防神社:御祭神:迦倶槌神
雅産霊神社
埴山姫神社
少昆古那神社
蛭子神社
高良玉垂大神 御祭神:竹内宿禰
天満宮社

ご利益:火伏せ(火災除け)

社伝によると、創基は神代で、背後の山の白雲山を御神体として祀られたと云われています。その後継体天皇元年(507年)に社殿が創建されたと伝えられています。
神社の格式は相当高く「延喜式」には「阿多古神社」として式内社の記載があるそうです。

神社習合によって、仏像が立てられ「愛宕権現」と称されましたが、現在その仏像は近くにある「養仙寺」に移されています。

社伝では、亀岡の「愛宕神社」の分霊が京都の鷹ケ峰に祀られた後、和気清麻呂により嵯峨山に遷され、これが現在の愛宕山山頂の「愛宕神社」として伝えています。

愛宕神社というと、関東の人は日本で最初のラジオ放送を行った東京都港区にあるNHK愛宕山放送局の同じ場所ある愛宕神社を思う人が多いのでしょう。

しかし、国内に約900ヶ所ある愛宕神社の総本社は、京都市の西北の愛宕山山頂(標高924m、京都市右京区)にある「愛宕神社」です。そして京都の「愛宕神社」は、今回ご紹介する京都府亀岡市千歳町にある「愛宕神社」を分詞して勧請されたものです。いうなれば、全国の「愛宕神社」の本宮は、ここ京都亀岡の「愛宕神社」です。

「愛宕神社」と云えば、もちろん「火伏せ」の神様です。京都の多くの人々は愛宕山に登って「愛宕神社」に参拝して「火廼要慎」のお札を授かり、家の台所にお祀りして防火を祈願しています。


愛宕山は大変に険しい山です。山頂まで登るのにいくつかの登山ルートがありますが、だいたい1時間半から2時間半かかります。戦前には登山用のケーブルカーも設置されていたようですが、戦時中の鉄の供出のために廃止されましたので、徒歩による登山のみとなっています。

ところが、ここ亀岡の「愛宕神社」は駐車場から徒歩約10分で神社の本殿にお参りできますし、「火廼要慎」のお札も授けて頂けます。身体の不自由な方や高齢の方が「火伏せ」を祈願してお札を授けて頂くには、全国本宮の亀岡の「愛宕神社」にお参りするのがよいのではないでしょうか。

「愛宕神社」の境内は背後の山の山裾の斜面に広がる整備された森の中に建っています。
凛とした空気があたりをつつんでいます。


本殿は、倒壊防止のために外側の建物で覆いを被せてあります。

本殿(「火廼要慎」の石碑はごく最近のようです)拝殿
覆いの建物の中には檜皮葺の本殿が
拝殿には、「全国愛宕本宮」の扁額があり、「本宮」を相当強調したいようです。


本殿の正面には、神楽殿があり、「令和」の奉祝のぼりが飾られていました。



神楽殿
社務所では、お札他を授けていただけます。時々留守にされることがあるようですので、事前に確認しておいた方がよいかもしれません。

神札    :500円
火廼要慎札 :500円
朱札    :200円
交通安全御守:500円
御守袋   :300円

社務所

 摂 社 


八幡神社
高良玉垂大神
豊受比賣神社(左)と火防神社(右)
雅産霊神社・埴山姫神社・少昆古那神社(手前)と蛭子神社(奥)
天満宮社

 境内の御神木 

境内には、亀岡の銘木として3種の大木があります。

モミの木
大スギ
イヌマキ

ムササビの生息する愛宕神社の森
 
愛宕神社の周辺の森には、ムササビが生息しているそうです。


こじんまりした神社ではありますが、「全国愛宕本宮」に誇りをもってをしっかりアピールしてほしいものです。

ところで、私は表参道ではなしに裏の参道からお参りしましたが、表参道では一の鳥居を
くぐって階段を登って約10分で本殿に到着できるようです。

アクセス
JR嵯峨野線 亀岡駅下車 ふるさとバスで「国文」バス停で下車し徒歩5分
自動車の場合は、京都縦貫自動車道亀岡ICから約20分

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