2019年5月23日木曜日

京都の城南宮の神苑では梅の花と椿の花が咲き乱れていました

京都市伏見区の城南宮の境内には、「神苑 源氏物語花の庭」があります。

あでやかなしだれ梅や椿が咲き乱れ、春から秋にかけて青もみじや紅葉が池の水面に映え、可憐な花が咲く城南宮の神苑「楽水苑」は、四季折々の美しさを楽しむことができる、心安らぐ庭園です。

おりしも「しだれ梅と椿まつり」が催されており、多くの参拝客が花の香りに酔いしれていました。

城南宮鳥居


城南宮は、京都市伏見区鳥羽離宮町にあり、平安京に遷都の際に国の安泰と都の守護を願って創建されました。
「方除けの大社」として知られ、方位の障りや家相の心配が無いようにということで、家を新築される方や、建築関係の工事の方が全国から参拝に訪れています。

今回の投稿では、城南宮の神苑「楽水苑」についてご紹介させていただきます。

城南宮の御由緒などについては、神社巡りの投稿でご紹介します。

城南宮の神苑「楽水苑」の入口は、朱の鳥居をくぐってすぐの左側にあります。

神苑「楽水苑」の入口の看板

神苑「楽水苑」の入口

神苑「楽水苑」の拝観時間は午前9時~午後4時30分、拝観料は大人1人600円、小中学生1人400円です。

神苑「楽水苑」の多くの植物の中には、「源氏物語」に描かれた花や木々が80種あまりあり、「源氏物語花の庭」として親しまれています。

春の山のしだれ梅

椿の花

神苑「楽水苑」の見どころ

眼の前の築山は、城南宮の神域とともに城南(鳥羽)離宮の数少ない遺構の一つで「春の山」と伝えられています。
そもそも城南離宮とは、平安時代末期、鴨川下流の水郷景勝のこの鳥羽の地に、白河・鳥羽上皇によって造営され、以来後白河・後鳥羽上皇に至る隠棲の府であり、寝殿・阿弥陀堂など堂塔の建築群と広壮な円池からなる平安文化の美の象徴でした。

神苑の全域にわたり、椿・梅・桂・撫子・若菜・双葉葵・萩など源氏物語出所の植物を植栽し、日本で唯一の「源氏物語花の庭」になっています。

神苑「楽水苑」は、昭和の小堀遠州とと讃えられた天才造園家「中根金作(1917年~1995年)」が手掛けた庭園で、「春の山」「平安の庭」「室町の庭」「桃山の庭」「城南離宮の庭」の5つのエリアより構成されています。


春の山

椿、しだれ梅、三つ葉つつじ、と春の草木が次々と続きます。白河上皇は城南離宮を築く際、「源氏物語」に描かれた光源氏の大邸宅「六条院」を真似て春の山や秋の山を築き、四季の景色に優れた離宮を作ったと言われています。

椿の花

 椿の落花








梅の花の香りでむせ返るようです。









真竹の竹林

 椿の落花

椿の落花としだれ梅

平安の庭

平安貴族の邸宅に作られた庭を写した「平安の庭」で、中の島(神仙島)、池の汀の野筋(秋野)の景観は平安絵巻さながらで、「曲水の宴」の遣水が流れ、春の山吹、秋の七草などの景色は野趣に富んでいます。
寝殿造りを取り入れた神楽殿の南に、木々が影を映す池が続きます。中央に中の島があり、段落ちの滝から清流が注ぎ、遣水(小川)が流れています。さらに進むと王朝の雅を偲ばせる「曲水の宴」が行われる苔の庭が広がります。紅葉が苔の緑に映える晩秋にかけてが見ごたえがあります。

 神楽殿裏の梅

                  神楽殿裏の梅

平安の庭への道

 平安の庭 中の島と奥に段落ちの滝


 平安の庭 中の島と奥に段落ちの滝




曲水の宴

毎年4月29日と11月3日の、木漏れ日の柔らかな平安の庭をゆるやかに流れる遣水(小川)のほとりで、雅やかな曲水の宴を行っています。奈良時代から平安時代にかけて宮中で催された歌会を再現した行事です。

色とりどりの平安時代の装束を身に着けた7名の歌人が席に着くと、一名ずつ歌題を確認し、歌人が遣水の傍らの座に着くと、中央の舞台で舞が披露されます。次に童子が朱塗りの盃にお神酒を注ぎ、盃台に載せて、川上から次々と流します。 琴の音が響くなか、歌人たちは歌題にちなんだ和歌を詠み、それぞれ短冊にしたためます。そして和歌を書き終えた歌人は、目の前に流れてきた盃を取り上げ、お神酒をいただきます。これら7首の和歌は、神職によって朗詠され、神様に奉納されます。



 曲水の宴が催される遣水

曲水の宴は次の2枚の参考写真にてご覧ください。

(参考写真)曲水の宴の七名の歌人 

(参考写真)曲水の宴の舞


 曲水の宴が催される苔原

室町の庭

茶道、生花、能楽などの日本文化が大成された室町時代の様式で作られた、池泉回遊式の庭園です。女龍・男龍・守護石・礼拝石・蓬莱石(亀島)・の石組みは荘重です。

池の中央に、不老長寿を象徴する松が生える蓬莱島があります。向こう岸の三体の仏の石組み(三尊石)は仏の世界を表し、その奥に鳥居と社殿を望むことができます。池には錦鯉が泳ぎ、初夏のツツジやサツキ、藤棚の奥にあるお茶席「楽水軒」から望む秋の景色も素敵です。

室町の庭 左側に「もみじのお茶席」

 右側は蓬莱島



 見事な赤松

                  見事な赤松

楽水軒」のお茶席でお茶をいただきました。
志納金は1人3百円からです。

楽水軒入口脇のつくばい

楽水軒 お茶席



               お茶席から蓬莱島を望む

楽水軒

桃山の庭

武将達が天下統一を目指した桃山時代の豪壮な気風が感じられる枯山水の庭です。芝生の海、海岸線に岩島が続く豪壮な景色です。

桜やツツジが咲き、青空の広がる季節がお勧めです。広々とした芝生が大海原、点在する岩が沿岸の島々を表します。船の形に選定された松は宝船(ヨーロッパから黄金の国ジパングに来た船)と想像することもできます。

 桃山の庭

 桃山の庭

お茶席から望む桃山の庭

城南離宮の庭

院政の拠点となり、賑わいと華やぎに包まれた平安時代後期の離宮の景観を枯山水で再現しています。かつての城南離宮の建築群と築山や池泉を、縮尺して表現しています。

平らな石を敷いた苑路が鴨川を、白い石の広がりが離宮の池を、緑の草の所々にある石組みが殿舎を表しています。

城南離宮の庭

 城南離宮の庭 池泉と殿舎と奥の通路が鴨川

 城南離宮の庭

 城南離宮の庭

城南離宮の庭

梅の季節2月18日~3月22日は「しだれ梅と椿まつり」が催されています。



境内入口には、梅や季節の木々の苗木の販売や、椿餅も販売していました。

梅の苗木や柑橘類の苗木、ぼけの花の販売 

椿餅の販売

引用:城南宮ホームページ、「城南宮 源氏物語 花の庭」入場リーフレット

アクセス
京都地下鉄・近鉄電車京都線 竹田駅下車 西に向かって徒歩15分
名神高速京都南IC出口から南へ100m
無料駐車場 200台(境内の表側と裏側、南側にもあります)




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