2020年3月8日日曜日

「嵐の聖地」として有名な滋賀県栗東市の「大野神社」は由緒正しい神社です

滋賀県の栗東市のJRA(日本中央競馬会)の「栗東トレーニングセンター」の近くにある「大野神社」は、ジャニーズの「嵐の聖地」として全国的に有名になりました。「大野神社」には全国の「嵐」ファンの老若の多くの女性たちが「嵐」のご利益にあやかろうと参拝に訪れていました。


大野神社(おおのじんじゃ)御由緒 

名 称
正一位天満大自在天神 大野神社(おおのじんじゃ)
金勝の庄(こんぜのしょう)総社

御祭神 
菅原道真公(すがわらみちざねこう)

創 基
天徳3年(959年) 平安時代中期 村上天皇の御代
※社伝には元慶6年(882年・平安時代)以前より社があったとの記事がある

境内摂社
三社殿(出雲社)
御祭神:出雲大神・恵比寿大神・八幡大神

境内末社
水分社(みくまりしゃ)
御祭神:天之水分神(あめのみくまりのかみ・里の神)

境外末社
春日神社
松倉神社
中山神社
白山神社

兼務社
春日神社

御神紋
梅鉢

例大祭
5月5日

所在地
滋賀県栗東市荒張896陣地

ご利益
学業成就・豊作祈願・天気祈願・必勝祈願

一之鳥居
楼門(鎌倉時代初期建造・国の重要文化財)
楼門(鎌倉時代初期建造・国の重要文化財)

拝殿
本殿
本殿
本殿

「嵐」の面影

「大野神社」は現在では「嵐の聖地」として多くの嵐ファンから崇敬されることとなっていますが、境内に「嵐」の面影はありません。境内には、天満宮社としての格式のある社殿が厳かに並んでいます。「嵐」を感じるのは、絵馬に書かれた「嵐ファン」の熱い願いです。絵馬掛けに掛けられた絵馬は、ほぼ全て「嵐」に関する願い事が書かれています。





大野神社の起源(由緒書参照)

当地の南方に位置する金勝山(こんぜやま)連峰の分水嶺にある龍王山(りゅうおうざん)山頂に安置されている「古祠(こし・御祭神は天之水分神・山の神)」を、当地に「里の神」として勧請した社が、現在本殿の右側に鎮座する「水分社(みくまりしゃ・御祭神は天之水分神)」です。当時、神社としては「天神社」と称していました。

「天之水分神」とは即ち、「水の神龍神」をも意味します。

水分社(大野神社の起源)
天平5年(733年・奈良時代初期)、聖武天皇の勅願により平城京の東北鬼門を護る国家鎮護の祈願寺として、金勝山(こんぜやま)に「金勝寺(こんしょうじ)」を建立した際、この地は大野神社の元の名である天神社の地であったことから、仏教主導の宗教政策の大波にのみ込まれ、神・仏共存して歩むこととなりました。つまりこのとき「天神社」は「金勝寺」の守護神としての役割を与えられたということでしょうか。

その後、平安前期の天慶6年(882年)、嵯峨天皇の勅願により金勝山連峰に「狛坂寺(こまさかでら)」を建立したとき、当社の天神社を守護神として「狛坂天神(こまさかてんじん)」と称されました。

平安前期の寛平9年(897年)、「権代納言菅原道真公」が勅使として、金勝寺に参向された際、当社に滞在された縁由をもって「天神社」は「正一位於之宮天神」と称されました。その後、道真公没後の天神信仰を受けて、天徳3年(959年)「於之宮天神(水分社)」の社の横に菅原道真公を御祭神とする「於之宮天満宮」が創建されました。これが、現在の「大野神社」であり、本殿・拝殿・楼門は天満宮社として格式ある建造物となっています。

菅原道真公ゆかりの「牛」
天満宮創建の後、創建の年代不詳ですが、「出雲大神」、「恵比寿大神」、「八幡大神」を合祀した三社殿が建立されました。

三社殿(室町時代の建造物)

「嵐の聖地」の由縁

私が「大野神社」にお参りした日は平日の昼頃でしたが、4組の嵐ファンと思われる参拝客がおられました。1組目は和歌山ナンバーの車の家族連れ、2組目は滋賀ナンバーの車の高齢の女性2人と男性1人、3組目は岐阜ナンバーの車の中年女性1人、4組目は栃木ナンバーの車の中年女性1人でした。まだまだ「嵐の聖地」信仰は熱いようでした。「大野神社」は全国にいくつかあります。滋賀県の山間の地の車でないと来れない「大野神社」に何故「嵐ファン」が殺到するのか。神社を参拝する限りでは「嵐」と「大野神社」の結び付きは分かりませんでした。

そこで少し調べてみると諸説あるようでした。1つには、「大野神社」の禰宜さんの名前が「大宮聡(さとし)」で、「嵐」のリーダー「大野智(さとし)」と同じであること。2つには、禰宜さんの姓が大宮で、嵐の大野くんと二宮くんのユニット「大宮SK」とも一致すること。これらのことがSNSを通じて拡散し、お参りしたら「嵐のチケット」が当選したなどの噂も広がって嵐ファンが殺到することになったということです。

「大野神社」は格式のある天満宮社で、神社としては「嵐」を感じさせるものはありませんが、「嵐ファン」にはうれしい禰宜さんの心遣いがあります。授け物や御朱印帳の色を「嵐」の各メンバーのイメージカラー5色にしてあったり、記念写真撮影スポットが設置されています。

祈願だるま
御朱印帳
お守り
顔出し写真
記念写真台

大野Cafeアプリ

境内には、嵐のイメージカラー5色の箱入りのバウムクーヘン「大野バウム」や競馬馬のトレーニングセンターがあることにちなんだ「馬勝ったバウム」などを販売する「大野Cafeアプリ」があります。

大野Cafeアプリ


大野Cafeアプリ

神仏習合時代の名残りの三仏像

境内には、神仏習合時代の本地仏で、神主の屋敷内にあった三仏像「十一面観音立像(平安末期)」、「毘沙門天立像(室町時代)」、「不動明王立像(江戸時代)」が安置されています。このうち十一面観音立像は主祭神「菅原道真公」として祀られたものと考えられています。

中央十一面観音立像・右毘沙門天立像・左不動明王立像
観音堂

その他の見どころ

大野神社は、「JRA栗東トレーニングセンター」の氏神様としても知られており、競馬のジョッキーは「大野神社」のお守りを身に着けている人が多いということです。ということで「馬」の像も奉納されています。



天神泉には、泉が脇き、錦鯉が泳いでいます。





駐車場は車が20台程度留められます。



「嵐」のご利益にあやかりたい方は是非お参りください。


アクセス
JR琵琶湖線草津駅下車 帝産湖南交通バストレセン行にて中村バス停下車 徒歩20分
車の場合 名神高速道路 栗東インターチェンジより約10分



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