2019年8月17日土曜日

ハローワークは真面目に仕事を探す人にやさしいですよ(その3最終)

ハローワークは真面目に仕事を探す人にやさしいですよ(その1)(その2)では、退職してからハローワークに行くまでの手続き、雇用保険の基本手当(いわゆる失業保険)の受給手続き、求職活動などについて自身の経験を踏まえて紹介させていただきました。今回(最終回)はハローワークでの具体的な「求職活動」について紹介させていただきます。

「仕事」の画像検索結果




前回のハローワークの紹介で説明し忘れていたことがありましたので、冒頭に説明しておきます。
それは、シニアにのみ関係することですが、「雇用保険の基本手当」を受給している間は「公的年金」の受給がストップするということです。ハローワークと社会保険事務所のデータは同じ厚生労働省の管轄ですので、データは連携し「公的年金」の給付は自動的にストップします。

またこれは全世代に関係しますが、「生活保護」と「雇用保険の基本手当」も二重に受給することはできません。当然のことです。

 ハローワークの職業相談 


ハローワークは、原則平日の8時30分から17時15分まで業務を行っています。人口20万人以上の地にあるハローワークでは8時30分から19時、土曜日は10時から17時まで業務を行っています。ただし、平日17時15分以降や土曜日は職業相談のみの業務で、基本手当の受給に関する業務は行っていませんのでご注意ください。

ハローワークの求職窓口で「求職活動」することと並行して、「ハローワークインターネットサービス」に登録して求人情報を常にウォッチしておくことをお勧めします。民間の求人情報サービスに登録しておくことも良いと思います。私は「Indeed」に登録しました。

 ハローワークでの求職活動 


ハローワークに行く日の前日には、事前に登録している「ハローワークインターネットサービス」で求人情報の傾向を確認しておきます。全国の「求人情報」が検索できますので
隣の都府県の情報や、心機一転離れたところで「頑張ってみたい」や「故郷に帰って働きたい」と思っている人にも大変便利です。

そしていよいよ、ハローワークでの求職活動を始めます。

当日は、まずハローワークの職業相談窓口に「ハローワークカード」を提示して、「職業相談」を受け付けてもらい整理番号札を受け取るとともに、求人情報検索システム専用PCの利用を申請します。ハローワークの規模によって違うでしょうが、私が行っていたハローワークでは、コーナーには20台ほどのPCとその横にプリンターが並んでいます。
利用証を受け取ってPCの前に座り求人検索を進めます。タッチパネルですので操作は簡単です。「希望業種」「希望職種」「勤務時間」「希望賃金」などを入力すると、いくつかの企業の求人リストの一覧表が表示されますので、詳細を確認したい企業をピックアップして「求人票」をプリントアウトします。
なお、このPCでは「ハローワークインターネットサービス」と同様に他の都府県の情報も検索できます。

「パソコン事務」の画像検索結果


窓口で呼ばれるまでに待合室でプリントアウトした「求人票」の詳細を確認しておきましょう。

次に「電光掲示板」に自分の整理番号が表示され、「○○番のお客様、××番の受付にお越しください。」と店内放送で呼ばれます。呼ばれた番号の窓口に行くと担当の相談員が立って迎えてくれます。最初に「AAです。よろしくお願いします。」と自己紹介され相談に入ります。先程PCで検索してきた「求人票」を提示して話を進めると早いと思います。相談員から更に詳しい情報を確認し、場合によっては相談員が相手企業に電話で詳細を確認もしてくれます。

ここで働きたい企業が見つかり、就職したいとなった場合には相談員が相手先企業に求職者(自分)の状況を伝えて意向を確認し、更に相談員は相手先企業の担当と電話で面接の日時を調整して「紹介状」を発行してくれます。

求職者は「面接」までに「履歴書」「職務経歴書」を準備して、事前に送付するなり面接当日に持参します。この「履歴書」「職務経歴書」についてもハローワークの「職業相談窓口」で事前に確認してもらえる「履歴書・職務経歴書作成支援サービス」があり、作成したものを添削もしてもらえるので利用した方が良いと思います。
「職務経歴書」は最近は単に職歴だけでなく、そのなかで自分のアピールポイントも書いた方が良いということなので、ハローワークで書き方の指導を受けることをお勧めします。

また、この窓口で「面接の受け方についても指導」してもらえますので、自信のない方は指導を受けることをお勧めします。

この「求職活動」で就職先が決まらなかった場合は、半月ぐらいあけると新たな求人情報が入っていますので、再度ハローワークを訪れて前回と同様の求職活動を進めましょう。
この「求職活動」は、基本手当の受給に必要な「求職活動」となりますので、持参した「雇用保険受給資格者証」「求職活動実績のスタンプ」を押してもらうことを忘れないように。

 シニアの職業相談 


ハローワークでは、シニア(中高年齢者)の就労促進のために、通常のハローワークとは別に施設を置いている場合が多くあります。
この施設では、シニア専門の相談員を配置してシニア独特の職業相談や就職支援を行っています。

シニア、特に60歳以上の就職状況について、求職活動をしてきた経験から述べてみます。厳しいようですが、これが現実です。

「シニアの仕事」の画像検索結果

現在世間では、人手不足だの有効求人倍率1.6以上だのと騒がれて社会の人手不足が大々的に報じられ、また「70歳定年制」だの「公的年金受給開始を70歳にする」だのと高齢者の勤労促進を進めていますが、まだまだシニアの求職活動は大変厳しいものがあります。

一つには、年齢を59歳以下に制限している求人がまだまだ多いです。もちろん高齢者OKの求人もありますが、これらには警備や清掃、運送、建設、厨房など体力的に厳しいものが多いです。

二つには、60歳以上の求人は週5日フルタイムで働いても月収14万円から20万円までの求人が大半です。これは公的年金に「在職老齢年金」という制度があり、60歳から65歳の年金受給者の場合、「公的年金の受給月額」と「勤務先からの月額賃金」の合計が28万円を超えると、公的年金の年金額が全部または一部停止されるということも関係していると思われます。
賃金は、シニアの場合は時給換算で当該都道府県の最低賃金程度が大半です。

三つには、現役時代のキャリャを求める求人がないということです。もちろん特殊な資格や実績のある方に有利な職種の求人もありますが、大半は現役時代のキャリャを必要としている求人はありません。企業はそれが必要な場合は働き世代にそれを求めます。また、現役時代に管理職であった人は、そのことは求職活動に何の関係もなく、かえってそれが邪魔をする場合もありますので、管理職の経験は表に出さない方がよいと思います。

従って、定年退職をしてもなお働こうと考える人は、たとえ給料が減ったり職種変更になったとしても、元の勤め先の再雇用制度や再就職先の斡旋制度を利用して働くことをお勧めします。そうでないのであれば、一般の再就職は大変厳しい条件があることを覚悟して求職活動を行ってください。


 職業訓練を希望する人へ 

ハローワークでは、求職者を対象に(ハローワークカードを交付されている人)を対象に①職業訓練を受けることが適職に就くために必要であること、②職業訓練を受ける為に必要な能力等を有するとハローワーク所長が判断した人に対して、職業訓練を斡旋しています。

このうち「公共職業訓練」は、次のいずれにも該当する人が受けることができます。
①ハローワークで求職申込みをしている人
②ハローワークでキャリャコンサルティングを受け、公共職業訓練の斡旋を受けた人
➂訓練を受ける為に必要な能力がある人→試験に合格した人

訓練を許可された雇用保険受給者は、職業訓練校(ポリテクセンター等)において訓練を受けることが出来ますが、訓練終了までの期間、基本手当・受講手当・通所手当等を受けることができます。
受講手当・通諸手当等については、支給要件がありますので確認してください。
・受講手当 月10万円
・通諸手当 通所経路に応じた額
・寄宿手当 月10,700円

職業訓練は、生産システム設備・金属加工・服飾デザイン等多岐にわたっています。


次に「委託訓練」は民間の教育訓練施設で行う訓練で、次のいずれにも該当する人が受けることができます。
①ハローワークで求職申込みをしている人
②ハローワーク所長の斡旋を受けることができる人

受講料は無料ですが、教材等は自己負担です。

委託訓練は、OA事務初級科・介護職員初任者養成科・Webデザイン科などがあります。


 最後に 


シニアの求職状況は厳しいものがありますが、ハローワークは真面目に仕事を探す人にはこのほかにも「子育て世代のママさんの支援窓口」や「若者世代の就労支援窓口」などの手厚いサービスがあります。

ハローワークは真面目に仕事を探す人にやさしい施設です。

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