2019年8月12日月曜日

ハローワークは真面目に仕事を探す人にやさしいですよ(その2)

前回「ハローワークは真面目に仕事を探す人にやさしいですよ(その1)」では、退職してから最初にハローワークに行くまでの手続きなど自分の体験を紹介しました。
今回は、実際に受給するにあたって必要な手続きと、ハローワークでの求職活動などについてお話していきます。


退職して最初にハローワークに行って受給担当部署の受け付けに行ってしばらく待つと、個別のブースに呼ばれ事務手続きを行います。持参した「離職票」を提出して仕事を探したいという意思表示を行います。通常はこの日が「受給開始決定日」になります。

その後撮ってきた写真を渡したり、通知カード番号を記入したり、銀行口座番号を記入したりと、手続きを進めると「ハローワークカード」「失業認定日一覧表」そして「雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり」を配布されます。「しおり」は必ず目を通しておくようにと言われ、約1週間後の日時を指定のうえ、その時の「雇用保険説明会」に必ず出席するようにと促され、その日は終わります。

次回の「雇用保険説明会」の際に「求職活動」を受けるように言われましたので、自宅に帰り、Web上のハローワークのHPにログインして、「履歴書」的なものを作成して登録しておきました。このひとでハローワークで手書きで作成することなく効率的に相談できました。

「ハローワークカード」は、ハローワークで求職活動をするためのパスカードで、求職検索専用のパソコンを借りるのもこのカードを提示する必要があります。
「失業認定日一覧表」は個人別に毎月指定されている失業認定の日程表で、指定日には必ず失業認定を受けるためにハローワークに行く必要があります。

「しおり」は以下のような冊子です。50頁ぐらいあります。


この冊子には、最初にハローワークのサービス内容と基本手当の受給手続きの流れについて記載されており、その他「失業認定」の具体的条件、「失業認定申請書の書き方」「求職活動実績」などについて記載されています。「雇用保険説明会」では全てを説明されるわけではありませんので、自分でしっかり読んでおいた方がよいです。


「雇用保険説明会」

指定された日時に「ハローワーク」に行き、待合室で待っていると指定時間になりました。会議室に入ると50名ぐらいの人が説明会を聞きに来ています。時間になり担当が
説明を始めました。説明会で大事な点は以下のとおりでした。

1.「基本手当」を受給するには、ハローワークから「失業の状態」であるという認定を受ける必要があります。

「失業の状態」とは、以下の3つの条件です。
〇積極的に就職しようとする意志があること。
〇いつでも就職できる能力(健康状態・環境など)があること。
 昼間学校に行っていて就職できない人は「失業の状態」とは認められません。
〇積極的に仕事を探しているのに、現在職業に就いていないこと。

このことを認定してもらうために、定期的にハローワークやその他ハローワークが認める機関で「求職活動」をしている実績を積む必要があります。そしてその活動の中心はハローワークの求職相談窓口での「求職相談」を受けることです。もちろんハローワークでの相談で紹介してもらえた先で就職できれば、それが一番良いことですが、就職が叶わなかった場合は、ハローワークの窓口を再度訪ねることになります。

この「求職活動実績」は、前回の失業認定日から今回の失業認定日の前日までに最低2回以上必要です。ただし自身の都合のみの自己都合で離職した人は、3ケ月の給付制限期間がありますので、この3ケ月の間に最低3回以上の求職活動実績が必要です。私も自己都合退職でしたので、最初の3ケ月間に3回求職活動を行いました。

2.「求職活動」期間中にハローワーク以外で就職が決まって働いているのに、ハローワークに報告しなかった場合や、内職または手伝いで収入があったのに届け出なかった場合は「不正受給」として摘発され、場合によっては刑事罰に処せられることもあります。新聞に裁判の刑事罰の判決として記事になっていることがあります。

3.「失業認定日」に必ず提出する「失業認定申請書」に上に述べた「求職活動実績」や
「就職、就労または内職、手伝い実績」を記入して提出します。

4.「求職活動」している中で再就職できた場合、基本手当の所定受給日数の3分の1以上の受給日数が残っていた場合には、「支給要件」を全て満たしていた場合、残日数に応じた乗率で「再就職手当」を受給することができます。

・3分の1以上残して再就職できた場合:基本手当日額×残日数×60%
・3分の2以上残して再就職できた場合:基本手当日額×残日数×70%

ただし、再就職先で1年を超えて勤務することが確実であること、受給資格決定時点で内定していた勤め先でないこと、などの「支給要件」があります。

5.公的職業訓練校で職業訓練を受けて、再就職に必要な知識や技術・技能を身に付けることができます。

基本テキスト代や実費程度の費用で「CAD」や「電気技術」「溶接技術」などの専門訓練を受けることができます。また条件によっては、基本手当を受給しながら訓練をうけることが出来る場合もあるようです。

これは新たな世界で再就職を目指す人には大変有利な訓練だと思います。

その後、私も一度相談しましたが、若い担当から「あなたの年齢の求人で訓練を受ける必要のあるような求人はありませんよ。」といなされました。やはり60歳を過ぎている者には厳しい答えでした。「チャンスは若い人に譲ってあげなさい。」ということでしょう。

だいたい以上のような内容で「雇用保険説明会」が終了し、この説明会の出席も「求職活動」1回にカウントされると云われました。

説明会が終わり待合室で名前が呼ばれるのを待って、担当から自分の写真を貼った「雇用保険受給資格者証」と、次回「失業認定日」までの分の「失業認定申請書」の書類を受け取り、今度は「職業相談」部署へ向かい受け付けを済ませて順番を待ちました。

結構時間がかかりましたが待合所で待っていると掲示板に自分の番号が表示され、同時に館内放送で「○○番のお客様、△△番の窓口にお越しください。」とコールが入りました。県庁所在地のハローワークでしたので、相談窓口ブースは20席ほどあります。指定されたブースに行くと、担当の方が立って迎えてくれます。「お待たせしました。どうぞおかけください。」・・・これは今までのお役所とイメージが違うな! いっぺんに好感度です。

そして肝心の「求職活動」「職業相談」です。最初はWeb上のHPに登録した「履歴書」的なものから、自分の経歴とこれから就きたい職種・仕事の内容などを伝えて、現状の求人状況などを教えてもらい、更にいくつかの求人元をピックアップして印刷してくれ、具体的な求人情報を紹介してくれました。私はその場で決めることが出来ませんでしたので自宅で考えてきますと伝えてその日の「職業相談」は終了し、「雇用保険受給資格者証」に本日の「求職活動」1件のスタンプを押してもらって帰りました。

次回は「ハローワークは真面目に仕事を探す人にやさしいですよ(その3)」として、その後の「職業相談」の状況と、「シニア向けの相談窓口」での状況について紹介させていただきたいと思います。

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