2019年8月28日水曜日

京都の下御霊神社は冤罪のまま亡くなった貴人の祟りを慰めるためにお祀りしている神社です

京都の「下御霊神社」は、京都市中京区寺町通り丸太町下ルにあります。
下御霊神社は、平安時代の政争のなかで冤罪で非業の死を遂げた、貴人たちの祟りを慰めるために、御霊をお祀りしている神社です。
パワースポットでパワーをいただきましょう。

下御霊神社鳥居

 下御霊神社(しもごりょうじんじゃ) 由緒 

御祭神
本殿八座
吉備聖霊(きびのしょうりょう)(以下の六座の御霊の和魂(にぎみこと)
崇道天皇(すどうてんのう)(早良親王奈良時代末期の皇族で光仁天皇の皇子)
伊豫親王(いよしんのう)(桓武天皇の皇子)
藤原大夫人(ふじわらだいふじん)(伊豫親王の母親)
藤大夫(とうだいぶ)(藤原廣嗣(ふじわらひろつぐ)藤原式家の祖・宇合の長男
橘大夫(きつだいぶ)(藤原逸勢)
文大夫(ぶんだいぶ)(文屋宮田麻呂)
火雷天神(からいのてんじん)(上記の六座の御霊の荒神)

相殿一座
天中柱皇神(あめのなかはしらのすめがみ)(霊元天皇)

創 建
貞観5年(863年)

創 起
平安京の神泉苑の御霊会(ごりょうえ)(死者の祟りを防ぐための鎮魂の儀礼)

例 祭
8月18日(例大祭)
5月1日・19日(神幸祭と還幸祭 神輿が出ます)

【ご利益】
疫病退散、家内安全

平安時代は貴族文化華やかな時代であるとともに、一方で災害や疫病が頻発した不安な時代でもありました。科学未発達の時代において人々は恐怖におののいて、この原因は世を恨んで亡くなっていった貴人の怨霊がもたらすものと考え、御霊としてお祀りお慰めすることで災禍からお守りいただこうと御霊会を行うようになりました。

こんな中、貞観5年(863年)神泉苑にて御霊会が開催されたという記録があり、いわゆる御霊についての記述があり、御霊とは崇道天皇、伊豫親王、藤原夫人、及び観察使、橘逸勢、文屋宮田麻呂のことであり、冤罪のまま亡くなった魂は祟りとなったとありました。天下の人々は疫病で多くの者が亡くなるのは御霊が原因だと考え御霊会が行われ、恒例となりました。

神泉苑で御霊会が行われた後、平安初期に下出雲路(御霊神社の南、寺町今出川の北辺り)に下御霊神社が創建され、神泉苑御霊会で祀られた六座に二座加えた八座をお祀りして、八所御霊としてお祀りしました。

御霊会は、後に京の夏の風物詩の「祇園祭」へと姿を変えて今も受け継がれています。

その後、神社は現在の新町出水辺りに移り、その後天正18年(1590年)秀吉の京都区画整理に伴い、寺町通りと称せられるごとくの多くの寺とともに現在地に移され鎮座されました。更にその後宝永の大火、天明の大火を経て、都度再興され現在も多くの人々の信仰を集めています。

拝殿

本殿

天明の大火以降再建された、本殿・幣殿・拝所・南北廊・拝殿は、京都市指定の有形文化財に指定されています。

 本殿

 本殿

狛犬

 摂社・末社 


神明社
 御祭神:天照大神、豊受大神
八幡社
 御祭神:八幡大神
春日社
 御祭神:春日大神
猿田彦社
 御祭神:猿田彦大神
稲荷社
 御祭神:稲荷大神
天満宮社
 御祭神:北野大神
宗像社
 御祭神:田心姫命・市杵島姫命・湍津姫命
五社相殿社
 御祭神:日吉大神・愛宕大神・大将軍八神・高知穂神・斎部神
大国主命事代主命社
 御祭神:大国主命・事代主命

昔の境内図

 猿田彦社

稲荷社

中央が大国主命事代主命社、左側が五社相殿社

天満宮社

 神物宝庫 


天明8年(1788年)の天明の大火の際に扉を閉めたおかげで、貴重な史料や霊元天皇より下賜された神輿が焼け残った神物宝物の収蔵庫です。

天明の大火の際、扉を閉めることで災禍を逃れた土蔵 神輿など貴重な祭器が無事でした

江戸時代の祭礼の様子

 感応水 


下御霊神社の地下から湧き出る水は、おいしいと評判で江戸時代には「感応水」と名付けられました。ミシュラン一つ星の店でもこの水を使うということで、各地から水を汲みに来る人がたえません。私が参拝中にも数名の方が入れ替わり立ち代わり水を汲みに来ていました。
水汲みは、とりあえず無料ですが、施設整備代として寸志を置かれてはどうでしょう。

手水舎の中に感応水の水汲場があります

 正門の彫刻 


正門

正門は、天明の大火後に造営された仮皇居(御所)の建礼門を下賜され移築されたものと伝えられています。大きい梁の中央に龍が飾られ、表側の化粧梁には玄武と朱雀に乗った仙人が、裏側の梁には麒麟と鳳凰が飾られています。

 正門中央の龍

表側の梁の玄武と朱雀に乗った仙人 

裏側梁の麒麟と鳳凰



「下御霊神社」は豪壮感はありませんが、貴人の祟りをお祀りしているせいか大変神々しく、パワーを感じる神社でした。皆さんも是非パワーをいただいてください。

アクセス
京都地下鉄烏丸線丸太町駅下車 東へ徒歩7分


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