2019年5月20日月曜日

【裁判傍聴記】 50代後半から60代後半の女性のお尻が好みです

被告人は京都市内のショッピングセンターの食料品売り場で、買い物中の67歳の女性のお尻をさわり、警備中のショッピングセンターの保安員に現行犯逮捕されました。食料品売り場を狙うという手口は、買い物に夢中な被害者が気づきにくい、あるいは今さわられたのは故意なのか不可抗力なのかよく分からないというところを狙って、被害者が被害申告しにくいという状況を狙う卑劣な手口です。
    

罪 状 京都府迷惑防止条例違反
被告人 50代前半 男性
求 刑 懲役10月


 事件の概要 

9月〇日夕方5時半頃、被告人は京都市内のショッピングセンターの食料品売り場で、買い物中の67歳の女性のお尻をさわり、警備中のショッピングセンターの保安員に現行犯逮捕されました。

被告人は愛知県の高校を中退後、主に派遣社員として働いていました。結婚歴はなく、現在も独身で京都市内の会社で派遣社員として働き、会社の独身寮に住んでいます。

犯歴は、前科5犯、前歴4件で、主に60代後半から70代後半の女性のお尻を好んで同種の犯行を繰り返しています。これは、この年代の女性は通報されにくいことと、若い張りのあるお尻よりも、この年代のお尻の方が柔らかく好みだと検察官の取り調べで供述しています。過去の犯歴では最高98歳の女性が対象だったということです。

犯行は主に食料品売り場で行っていますが、食料品売り場では女性は買い物に夢中で、気づかれにくいとも供述しています。

本件の被害女性は、犯行を「不快に感じた」として被告人の謝罪も被害弁済も受け付けてもらえていません。むしろ厳罰に処すことを希望しています。


 被告人質問 
 
弁護人
これまでに何回もやって、何回も逮捕されているのに何故繰り返したのか。
被告人
相手にに対する気持ちがなかったと思います。自分に都合のよいように考え、これぐらいは良いだろうと考えていました。

弁護人
ショッピングセタンーに出入りすることで、期待はなかったのか。
被告人
触れるかもしれないという思いはありました。

弁護人
平成30年1月に刑務所を出所後、逮捕されるまで同種の犯行を何回ぐらい行っているか。
被告人
4~5回やっています。

弁護人
刑務所の中で性犯罪者向けプログラムを受けていたのか。
被告人
受けていましたが、やってしまいました。

弁護人
被害者に対する気持ちと反省は。
被告人
被害者の気持ちを考えず愚かなことをしました・・・・
・・・・・・・・ペラペラと反省の弁と謝罪を3分ほど述べました。・・・・・・・・・
社会に復帰したら、更生のための性犯罪防止の仕組みを積極的に活用したい。
( 過去の裁判でも同様にしゃべっているのだろうな。慣れているな。) 

検察官
前回の裁判でも同様の受け答えをしていますね。
被告人
そのとおりです。

裁判長
働いていた会社は退職したのか。であれば出所後に住むところはどうするのか
被告人
独身寮の荷物は既に父親(80代) が実家に持ち帰ってくれています。出所後は愛知県の両親のところへ帰りたいと考えているが、両親も高齢のためどうなるかは未確定です。

裁判長
被害者に対する弁済はどう考えているのか。
被告人
30万円程度の弁済を考えています。お金はまだ余裕があります。

裁判長
あなたの答弁を聞いていると自分の行いを軽く考えているように感じる。処罰されるということは、軽く考えていいことじゃないでしょ。


 論告求刑  

検察官
犯行は巧妙で卑劣で、狡猾であり常習性も高く、再犯の可能性大と言える。
懲役10月を求刑します。


 最終弁論 

弁護人
寛大な判決をお願いします。


 被告人最終陳述 

被告人
申し訳ありません。・・・・ペラペラと慣れた謝罪の弁を1分程述べました。


 裁判の向う側 

この種の犯罪は再犯率が高いと聞きます。裁判長が諭した「処罰されるということは、軽く考えていいことじゃない」という言葉が被告人の気持ちにひびいているのかどうか悲しいことです。
 
被告人の性癖でもあるのでしょうが、高年女性を狙うという手口は、被害者が被害申告しないだろうという狡猾さのあらわれでもあるのでしょう。また食料品売り場を狙うという手口も被害者が気づきにくい、あるいは故意かどうかの境い目で被害申告しにくいということを狙う卑劣な手口です。

日本の法律の限界かも知れませんか、再犯をさせないための法的な手段はないのでしょうか。判決が懲役10月の実刑であったとしても、1年後には出所して社会に戻ってきます。またも同様の手口で再犯すれば被害者も増え、このような勾留・裁判手続きで貴重な税金が浪費されることになります。

性犯罪を性障害としてとらえ加害者側の更生と再犯防止に向けた活動をしているNPO法人があります。国も事件があってからの措置だけでなく加害者を再犯させないための手立てを講ずべきではないでしょうか。

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